PROJECT 開発ストーリー

オキシムエステル型 光重合開始剤
「Nikkacure」開発ストーリー

当社が独自に研究開発したオキシムエステル型光重合開始剤「Nikkacure」

ラジカル型光重合開始剤の中で、特に高感度とされるオキシムエステル型の開発に成功しました。h線(405nm)に大きな吸収を持ち、フォトレジストをはじめ、幅広い用途で使用されています。ゼロから新製品立ち上げまでの製品開発の道のりをご紹介します。

PROJECT
MEMBER
登場メンバー

  • 営業部 木村

  • 開発室 田口

  • 製造部 有本

  • 製造部 木下

  • 製造部 溝北

  • 製造本部 中本

「Nikkacure」の開発に至ったきっかけを教えてください。

木村「私が営業担当になった当時、当社の取引は製紙会社向けの染料がほとんど。新しい分野に挑戦したい、新しい製品が当社に必要だと感じていた私は、積極的に新規取引先の開拓につとめました。そんな中、とある企業が当社の製品に興味を示し、話を聞いてくれるように。途中から田口を巻き込んで、様々な試作品を持ち込みました。」
田口「一つの試作品がだめでも、会話の中でポロリと出てくるニーズを拾っては試作品を持ち込むこと数年。どんな新製品を作るのか、手探りしていた時間でもありました。『オキシムエステル型光重合開始剤』という取引先担当者からのキーワードをもとに試作したものが、ようやく製品化に結び付いたのです。」
光重合開始剤
「Nikkacure」の開発に至ったきっかけを教えてください。

製品開発に皆さんはどのように関わっていましたか?

田口「私は最初の試作から量産化まで、開発担当として関わりました。新製品の開発ではまず、実験室でいくつかサンプルを作って取引先に持ち込みます。それから狙った結果がきちんと出るかどうか取引先が評価。好感触ならさらに要望をヒアリングし、改良を重ねます。Nikkacureの場合、初期段階の提出サンプルにおいてはある程度良好な評価結果が得られましたが、さらに長波長の光に対して効果が出るものを作れないか?と要望をいただきました。当社は染料に対する知見が豊富なので、波長のコントロールは実は大の得意分野。改良版に高評価をいただき、取引が始まりました。」
木村「取引が始まったら、次のハードルが量産化です。実験室で少量の試作品を作るのとは違い、製造現場の実機で、キロ単位で作れるようにならなければなりません。Nikkacureは最初、『マルチプラント1(第一マルチプラント)』で製造を開始。これ、受注が決まる前から『今後開発した新製品を作れるように』と整えていた施設なんです。生産体制に移れたのは、会社の先を見据えた投資のおかげです。その立ち上げに中本・溝北が、本格的な製造にあたり有本・木下が力を貸してくれました。」
製品開発に皆さんはどのように関わっていましたか?
中本「当時、私は入社一年目。開発室に配属になったばかりの夏でした。現場試作に立ち会いながら、各工程で安定生産が可能な合成方法を一つ一つ確認していきました。原料や配合を実験と同じ比率にしても、製造装置や製造量が違えば化学反応の出方が変わり、同じものはできないのです。この量産化立ち上げ段階で最も苦労したのは、析出した反応槽から取り出すことでした。実験段階からきっとこれがボトルネックになるとは思っていましたが、落としどころを見つけられた時はホッとしましたね。」
田口「私は製造現場での経験がほとんどなかったので、経験豊富な製造部の面々にはずいぶん助けられました。『そんなことも知らんの?』と言いながら知恵を出してくれました。(笑)」
製品開発に皆さんはどのように関わっていましたか?

量産化にあたって苦労したことはありますか?

溝北「当時はマルチプラント1(第一マルチプラント)が稼働し始めたころ。実験プラント的に使われ、開発メンバーとの共同作業を多々行っていました。実験室と製造現場は、ただ作る量が変わるだけではありません。熱伝導や攪拌効率、送液方法、濾過時間なども変わるので、思った結果が出ず、異なる物質ができることも。実験室ではビーカーから目的物を移し替えていただけのことも、製造現場では専用ポンプを通さないといけませんからね。」
有本「現場で連続生産が始まると、実験室では予想もしていなかった問題も起こります。製造途中で製品が酸性に偏るので、機械や配管がサビてきたり。電子機器に使うものなので、製造環境はクリーンに保たねばなりません。万が一にもサビが混入してはいけせんので、設備の改修も行いました。」
量産化にあたって苦労したことはありますか?
溝北「今まで作ってきたどの製品とも違うことが多く、私たちも日々勉強になることばかりでした。初めて扱う薬品も多くあったし、反応条件も違う。一つ一つ調べ、確認を取りながら進めていましたね。」
有本「本格生産が始まってからも、データを取りながらより安定的に、効率よく作れる方法を探っていた。しばらくは半製造・半実験状態でノウハウを蓄積していきました。」
木下「とはいえ製造方法や原料も、取引先に承認されている方法以外で作ることは許されないので、やれる範囲で工夫を重ねていました。」
有本「高い原料なので、ちょっと少な目に作り始めたら失敗して、反応槽一杯に作ったら成功したりね。思い切りも大切です。(笑)」
木下「私は最終段階、『マルチプラント2(第二汎用設備)』に完成した巨大な反応槽での製造を任せてもらいました。以前の反応槽から8倍の大きさになったので、やっぱり最初は恐々少な目の量を作ろうとすると失敗。有本たちの経験を生かし、フルスケールで製造したらこちらもうまくいきました。新たな製品を作るとき、想定していないトラブルはつきもの。ですが別の製造現場で培ってきた経験や、仲間たちと積み重ねてきた技術やノウハウが助けてくれるものだと実感しましたね。」
量産化にあたって苦労したことはありますか?

Nikkacureの開発で、どのような知見が得られましたか?

木下「Nikkacureは他の自社製品に比べて反応槽の扱いも難しいし、操作盤の数も多いんです。製造者として確実にスキルアップできましたね。今後も製造に携わり、得た技術を後輩に伝えていきたいです。」
中本「私はその後、開発室から製造本部へ異動して、製造機械の改良などの生産設備管理に携わっています。入社一年目でこのプロジェクトに関わり、マルチプラントで数年間機械に張り付けたことが本当に今生きています。設備について一通り理解できたし扱えるようになり、『新人・若手』の枠から早くに脱皮できたと思います。正直、入社したばかりでスケールの大きなことを任され、内心怖いと思うこともありましたが、いい経験をさせてもらいました。」
木村「ゼロからの新製品立ち上げは、ここにいるメンバーがいなければできませんでした。製品が出来上がったとき、何よりも取引先の方や一緒に苦労したメンバーと喜びを分かち合えたのが嬉しかったです。」
Nikkacureの開発で、どのような知見が得られましたか?

今後はどのような製品を開発していきたいですか?

中本「Nikkacureは、得意先で使用する溶剤に溶けにくいという特性があるので、溶剤の溶解度を上げたものの開発にも成功しています。また、Nikkacureのようなオキシエステルタイプの溶剤は特殊なものなので、まずは一般的な重合開始剤のラインナップを増やしていきたいですね。」
田口「電子材料分野は、今後も需要が伸びていく分野です。光重合開始剤に限らず、電子機器で使用できる製品を開発していき、当社を支える大きな柱の一本に育てたいです。」
今後はどのような製品を開発していきたいですか?

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