研究開発
Research and Development和歌山県先駆的産業技術連携支援事業②
ポリエステル系偏光フィルムに有効な二色性色素の開発
背景
偏光フィルムは、省エネルギー化等から建築・建材分野の遮光フィルムやTV及びパソコン等の液晶ディスプレイの需要に年々増加する傾向となっています。しかし、従来使用されているフィルムの素材であるポリビニルアルコール(PVA)は、水溶性ポリマーである為に耐湿性、耐熱性に劣り、又使用されている二色性色素も紫外線(耐光性)に弱いなどの課題があります。
成果
上記の課題を非水溶性のポリエステルフィルム(PET)を使用することで耐湿性、耐熱性及び耐光性をあげることができることから、PET用の可視光領域全域で十分な偏光特性を有する二色性色素を開発して工業化することを目標に本補助事業において、マゼンタ、シアンの偏光度及び染色濃度を満足できる二色性色素の開発を地方独立行政法人大阪産業技術研究所様と行いました。
(共同研究終了報告書 産技研業務第530号 平成28年3月31日)
産技研業務第770号 平成29年3月31日)
阪技術研業務第809号 平成30年3月31日)
可視光領域全域で十分な偏光特性を発現するグレー色とするにはポリエステル用の二色性色素としてイエロー、マゼンタ(赤色~紫)、シアン(青色)の三原色が必要となってきます。イエローについては染色濃度及び偏光度から使用可能な特性を有した色素の開発に成功しております。地独)大阪産業技術研究所様と特許取得 (特許番号7232580)